雇用動向の重要指標のひとつとして、新聞などでも利用される有効求人倍率。
厚生労働省から発表されている職業安定業務統計「一般職業紹介状況」にて、都道府県別ごとにも確認することができます。
この記事では、愛知県の有効求人倍率と有効求人数をグラフなどを用いて紹介します。
愛知県の有効求人倍率
2020年、愛知県の有効求人倍率の平均は「1.23」でした。平均では「 1 」を下回ることはありませんでした。
ここ10年で、愛知県の有効求人倍率が「 1 」を超えたのは2011年11月からです。以降は1以上をキープしています。全国でも愛知県の有効求人倍率は高い方です。
愛知県の有効求人倍率(季節調整値)の推移をみてみましょう。
2006年から2020年の推移をグラフと表にしています。
グラフ:愛知県の有効求人倍率の推移

上記のグラフは、ここ10数年の愛知県の有効求人倍率の推移です。2009年からは世界中でリーマンショックの影響もあり、全国的な不景気となりました。2009年、愛知県の有効求人倍率は「0.56」と全国で11位、落ち込みが少ない数字でした。
翌2010年から全国的な流れと同様に求人倍率は右肩上がりで上昇し、2018年にピークを迎えます。2019年もほぼ横並びですが、2020年は新型コロナウイルス流行の影響を受け、求人倍率は大きくダウンし平均1.23まで下がってしまいました。
記事執筆時(2021年5月)の状況では、2021年3月までの平均は「 1.07 」とさらに下げつつあり、厳しいながらも求人自体は保っている状況です。
有効求人倍率とは?
有効求人倍率とは、「有効求人数を有効求職者で割った数」で、倍率が1を上回れば「求職者より募集の方が多い」となり、1を下回れば「募集より求職者の方が多い」ことを示します。
なお、当記事ではニュースなどで一般的に使われる「季節調整値」のデータを使用しています。
「有効求人倍率とは?」のページにて、例を出して詳しく解説しています。
愛知県と全国の有効求人倍率の比較
愛知県と全国の有効求人倍率の推移(グラフ・表)

年号 | 西暦 | 全国 | 愛知県 |
---|---|---|---|
平成18 | 2006 | 1.06 | 1.85 |
平成19 | 2007 | 1.04 | 1.95 |
平成20 | 2008 | 0.88 | 1.63 |
平成21 | 2009 | 0.48 | 0.56 |
平成22 | 2010 | 0.52 | 0.64 |
平成23 | 2011 | 0.65 | 0.88 |
平成24 | 2012 | 0.80 | 1.12 |
平成25 | 2013 | 0.93 | 1.31 |
平成26 | 2014 | 1.09 | 1.53 |
平成27 | 2015 | 1.20 | 1.54 |
平成28 | 2016 | 1.36 | 1.63 |
平成29 | 2017 | 1.50 | 1.82 |
平成30 | 2018 | 1.61 | 1.96 |
平成31/令和元年 | 2019 | 1.60 | 1.93 |
令和2年 | 2020 | 1.19 | 1.23 |
全国平均値と愛知県の有効求人倍率を比較してみると、全体的に全国平均を大きく上回っています。2012年以降は倍率も「 1 」を割ることはなく、愛知県は求人が多い地域です。逆にとると、東京と同じく慢性的な人手不足といえます。
愛知県といえばご存知「名古屋」と世界の「トヨタ(豊田市)」で、産業は第2次産業、第3次産業が強く、国内でもトップレベルです。製造業の割合が他県より多く、製造品出荷額等は48兆7,220億円で、1977年以来42年連続全国第1 位です。
2020年5月時点で最新の国勢調査では、愛知県で15歳以上の就業者数が多い産業は以下の通りです。
15歳以上の就業者数 | 就業人数 | 全体に占める割合 |
製造業 | 928,039 | 25.3% |
卸売業、小売業 | 554,763 | 15.1% |
医療、福祉 | 363,396 | 9.9% |
建設業 | 245,701 | 6.7% |
卸売業、小売業についても、東京、大阪に次いで全国第3位の実績を誇ります。
国内随一の「ものづくり」県ですから、求人も輸送用機械(自動車や飛行機など)の工業製品を作る企業が多いのが特徴です。
愛知県の有効求人倍率は全国何位?
全国47都道府県の中で、愛知県の有効求人倍率は何位くらいでしょうか?
直近5年分をランキングにしてチェックしてみました。
2016 | 6位 |
2017 | 4位 |
2018 | 7位 |
2019 | 7位 |
2020 | 21位 |
2020年は全国的に求人状況が悪化し、各都道府県の求人状況は混乱しているなか、愛知県の有効求人倍率のランキング順位は全国21位でした。直近5年の平均順位は9位です。
コロナ前までは上位でしたが、世界的にロックダウンなどが起こり、自動車関係の仕事も大きく影響を受けました。求人数が減少し、結果、倍率も下がりました。
近隣エリアとの比較
グラフ:愛知県と全国の有効求人倍率の推移

近隣である東海の岐阜県、静岡県、三重県と大阪府の推移比較です。
大阪は全国平均を超えていますが、北陸エリアの倍率と比べると低く見えてしまいます。
グラフを見ると、やはりリーマンショックの影響がいかに大きかったかが伺い知れます。
その後は順調に回復していきましたが、2020年は新型コロナウイルスのダメージを大きく受けてしまいました。
愛知県の有効求人数
愛知県の有効求人数をみてみましょう。2009年のリーマン・ショック以降、全国的には形が右肩上がりの流れになっていて、愛知県も同じような流れになっています。求人数は2018年が数字的なピークで最も高くなりました。
求人数は、ここ10年でみると10万人〜16万人で推移しています。
愛知県の有効求人数推移
愛知県の有効求人数の推移(グラフ・表)

西暦 | 有効求人数 | 新規求人数 | 新規求人比率 |
---|---|---|---|
2006 | 159,459 | 57,314 | 35.9% |
2007 | 162,148 | 57,317 | 35.3% |
2008 | 140,083 | 48,372 | 34.5% |
2009 | 78,859 | 29,176 | 37.0% |
2010 | 83,751 | 32,678 | 39.0% |
2011 | 106,837 | 39,770 | 37.2% |
2012 | 126,361 | 45,227 | 35.8% |
2013 | 143,121 | 51,021 | 35.6% |
2014 | 151,779 | 53,104 | 35.0% |
2015 | 145,198 | 51,290 | 35.3% |
2016 | 148,030 | 52,027 | 35.1% |
2017 | 158,375 | 55,046 | 34.8% |
2018 | 164,852 | 56,533 | 34.3% |
2019 | 163,382 | 55,693 | 34.1% |
2020 | 119,117 | 40,160 | 33.7% |
新規求人の比率では、こちらも年々、全国同様にゆるやかに割合が下がっています。愛知県は第2次産業の中でも特に製造業(自動車関連)の割合が高いですが、ハローワークの求人は様々な職種がバランスよく募集されている感じがします。
2021年6月現在のハローワークの求人案件(30歳設定で検索)は、フルタイム正社員で約28,000件でした。対して転職情報サイト「indeed」で愛知県内の正社員を検索すると、約87,800件の情報が見つかりました。転職エージェント「リクルートエージェント」では非公開を含め、約22,200件の情報があります。
自分の転職市場での価値、愛知での転職の実情を知りたければ転職エージェントへの登録をおすすめします。
有効求人数とは?
有効求人数とは、公共職業安定所(ハローワーク)に登録された求人のうち、期間中(月間)に新たに受け付けた求人数(採用予定人員)と、前月から繰越された有効求人数(前月末日現在において、求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数)の合計数をいいます。
わかりやすくすると以下のようになります。
有効求人数 = 新規求人募集数(採用予定人数)+ 採用が決まっていない引き続き募集中の求人数
愛知県内の求人を紹介している転職エージェント
有効求人倍率と有効求人数は、あくまで公共職業安定所(ハローワーク)の数字のみを反映したものです。
商業、金融業、運輸業、情報通信業、サービス業などの第3次産業などは、ハローワーク以外の転職情報サービスで募集されることが多いです。
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